久しぶりにSS更新です!……前々から書きたい書きたいと思っているネタを放置して、ワリと最近思い浮かんだネタを書いてしまいました。
多分こんな古泉は皆さんには好かれないんじゃないかなぁ…とハラハラしつつ。いや、本当に、古泉好きの人や逆に愛が強すぎて古泉にドSになっている人とかにフルボッコされてしまいかねない腹立つ感じの古泉で申し訳ない…!でも、人間だもの(@みつお)って感じで。人間そこまで綺麗じゃないし、打算とか計算とか利用とか、普通に過ごしている中でも出てくるよね、みたいな……だ、ダメ、ですか?(汗)古泉は意外にこれ位気楽に生きていそうな気も最近してきました。

後、これもいつか書こうと思って迷っている奴なんですけど。例えばラブレターとかもらったり、告白を受けたりした場合、どっちかっていうと舞い上がったりしてしまうのって古泉の方な気がするんですよね。多分古泉はどうやらモテているようなので、告白をされたりしている事もあると思うんですけど……現状が現状ですからね。いつ呼び出しがかかるか分からないような状態で、例えば付き合いだしたとしてデートの最中に呼び出しが、とかが頻繁に来るようだったら長持ちしないだろうし、バイトの事とか色々と突っ込まれたら困るでしょうから、惜しいなぁ…とか、泣く泣く、みたいな調子で断ってたりするんじゃないかな、とか。
で、キョンですけど。ぶっちゃけると、…お前恋愛不感症か?とか聞きたくなるような感じがするんですよね…。事実、朝倉からの手紙が入ってた時だって高校生男子にあるまじき落ち着きっぷりでしたし。悟りでも開いているのか、とか思ったりしますよ。だから、ラブレターもらったり告白を受けるような事があっても、あ、どうも有り難う、とかちょっと照れ照れしたりしつつも付き合ったりとかはしないっつーか、断りそうなんですよね。別に古泉達からハルヒがどうこう、って突かれてるとかじゃなく。キョンは現状に居心地の良さを感じているから、それを壊したくない、っていう意識の方がまだ強いんじゃないかな、とか。恋愛よりも仲間とかそういう空間全体の方が重要、ってなノリで。
んで、そんなキョンを眺めて、貴方は優しいけれど残酷な人だ、みたいに思っている片想い古泉とかどうよ………と思ったりしてますが。これまた皆さんにフルボッコくらいそうな内容なので保留にしておきます。

ついつい語ってしまいましたが、まあ本文は続きよりどうぞ!古泉好きさん注意です…!
僕にも、彼の同情を引く事の出来る確固たるものがあれば、少しは彼との関係に変化を築けるだろうか。

そんな事を退屈な授業中にふと考えて、思わず笑ってしまった。一体何を考えているのだろうか、と。そもそも僕としては御免被りたいくらいの事なのに。誰かの同情を引くには、それ相応の苦しみを自分自身が受けなくてはいけない。そのリスクを考えれば、そんな風に願うなんて馬鹿みたいだと思うのに。嗚呼、でも。
それでも、僕はいっそ自分の現状が哀れであると彼に思ってもらいたいと考えているのだ。お人好しな彼の事、そういう風に見てくれればきっと今ほど僕を邪険には扱えなくなるだろうから。寧ろ、朝比奈みくるのような見方ほどにはならないにせよ、長門有希くらいには親愛の情を持って見てくれるかもしれない。……いや、それは無理だろうか。彼は異性には元より甘いが、その分同性には厳しいから。確かに、愛らしい女性の方に甘くなるのは男の本能として間違っていないし、僕も同意できるのであまり異を唱えられない。僕だってとある問題で誰かを責める事になった場合、女性よりも男の方に厳しくなってしまうだろうから。
そんな僕が、何故彼に同情を引いてでも此方に気を向けて欲しいと思うのか。自分自身でも意外だ。僕にそういう気はないと今だって胸を張って言えるのに。まるで子どものように、他の人に目を向けるな、自分しか構うな、と駄々をこねてしまいたくなる。彼の兄気質がそうさせてしまうのだろうか、それとも彼自身の問題だろうか。それとも…

(涼宮ハルヒが選んだ鍵だからだろうか。)

おきまりのように出てくるその言葉に自分でも可笑しくなってくると、周りや教師に気付かれないように肩を竦めた。涼宮ハルヒが“神”であるという事、彼がその“鍵”である事、なんてもう僕の中でさして重要でも大きな問題でもなくなって、ただ単にそういうものである、という記号でしかなくなっていた。涼宮ハルヒから奇妙な能力を植え付けられて随分と経ち、神というものに対しての畏怖や、閉鎖空間、神人への違和感や恐怖も薄れたせいだろう。最初の方こそ、SF小説や映画のような事が実際自分に降りかかった事に身体の震えが止まらない程恐怖したし、自分にそのような力が与えられた事への高揚感も存在した。初めて閉鎖空間に入って神人と対峙した時など、何故、どうして僕がこんな事を、などと悲劇のヒーローのように酔ってみたりもしたし、度重なる閉鎖空間の出現、誰に褒め称えられる事もない働きに心底嫌気がさして、いっそ死んでしまおうか、などとヤケのように思ったこともある。しかし日々は変わりなく過ぎていき、いつしか僕も閉鎖空間が発生して呼び出されても、「またか」という位の気持ちにしかならなくなっていた。神人を倒すのは正直面倒だし疲れるが、でもそれまでの事だからだ。怪我を負うでもなく、命の危険にさらされるような目にも遭った事がない。最初こそ慣れないで辺りをグルグルと飛び回る位しか出来なかったが、慣れてしまえば一種の流れ作業のようになってしまったからだろう。同士達とは気を抜かないように、と互いに釘を差し合っているが、それでも皆、最初の頃のような緊張感は今はない。
………そこまで考えて、僕は思考を一旦止めた。

そうだな、いっそ閉鎖空間に行くと怪我を負ったり、命の危険性がある位の事があればいいのに。そうしたら僕はそれをちらつかせて、彼の意識を此方に向けられる。貴方が不注意な事をすると僕や、同士達がこのような目に遭うんです、などと言えば彼は顔をしかめつつも涼宮ハルヒへの態度を改めるようになるだろうし、僕相手に気を遣ってくるようにもなるだろう。彼を余計に涼宮ハルヒという存在に雁字搦めにしてしまう危険性もあるが……僕は全ての責任を涼宮ハルヒの力に押しつけて、彼に甘える事が出来る。力を与えられた最初の頃そう思っていたように、僕は閉鎖空間に行くのが恐ろしいんです、あの神人に立ち向かわなくてはいけないと思うと身体が震えるんです、またいつ怪我を負うか、いえ、もしかしたら命を失うような事になるかもしれません、などと、もうクセになっている笑顔を取り払って縋るように言えば彼は僕を受け入れてくれるはずだ。…何せ、命がかかっているのだ。それに、僕は必ず死ぬわけがないと今の時点で分かっている朝比奈みくる、そして人間ではない長門有希とは違う。何かあった場合簡単に死んでしまう、彼と同じ人間なのだ。彼がどれだけ僕に同情の意識を向け、その優しさを傾けてくるかなんて、考えずとも分かる。ああ、いっそ、そうだったら良いのに…なんて。こんな事を考えていると知れたら、同士達に馬鹿にされて叱られるのがオチだな。まるで子どもの考えだ。実際にそんな事になったら、同士達の誰もが閉鎖空間へ赴く事など拒否してしまうだろう。僕だって、今のように気軽には行けなくなってしまうだろうし。仮に僕が怪我を負ったりして、涼宮ハルヒにそれを気付かれて問いつめられたりなどしたら面倒な事になる。今のように、ただ彼女の言う事に賛同を示しているだけの事がどれだけ楽だか分かっているからこそ、そう思う。……それに、僕が幾ら考えても、涼宮ハルヒにはそれは伝わらない。僕の浅はかな考えなど、実際に起こりうる訳がない。涼宮ハルヒの力を上手くコントロール出来るのは、他ならぬ彼であるからだ。なんという堂々巡りだろう。そんな結論が出た所で、学校に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。

(……ああ、閉鎖空間が発生していたのか。)
閉鎖空間の発生と、小規模であった為、すぐに収めた事を伝えるメールが携帯に届いていた。相変わらず怪我人も死人も出なかった、と。ざっと目を通して、携帯を閉じると僕は小さく息を吐き、目頭を指先で軽く押さえた。最近集めているミステリー小説を夜遅くまで読みふけっているせいか、随分と目が疲れてしまったようだ。目薬でもさしてこよう、と立ち上がった所で、僕はふと思い当たる。…そうか、別に目に見える傷でなくてもいいじゃないか。彼に、閉鎖空間に行くから体力や気力が削られて、疲労しているのだ、と何気なく伝えればいい。事実僕は、閉鎖空間が原因ではないが実際に疲れている。彼に信じ込ませるなど容易い事だろう。怪我などに比べれば劣るかもしれないが、気を引く事は出来る。そう思えば、僕は浮き足立つような気分で廊下に出て行った。今日の放課後、それを彼にどういう風にして悟らせようか、などと意識を巡らせながら。

2008.11.22 Sat l 古キョン l COM(0) TB(0) l top ▲

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